アートで命 考える デザイン事務所&学童合作


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完成した小屋の前で、自作の木のメダルを持ってはしゃぐ子どもたち=8月28日、豊見城市名嘉地

 【豊見城】豊見城市名嘉地のデザイン事務所「デザイン相談所DECOR」の瑞慶山成人さん(38)と南風亜矢子さん(38)がこのほど、名嘉地にある友貴(ゆうとむ)学童の子どもたちと木工作品作りに取り組んだ。「アートを通して地域の課題を考えたい」(瑞慶山さん)との思いで始めた活動の一環。8月28日に最後の仕上げがあり、子どもたちはペンキまみれになりながら、一生懸命色付けに励んだ。

 今回作ったのは、猫の殺処分ゼロを啓発するイベントに出品する小屋。障がいのある子どもたちが参加するイベントでプレゼントする木のメダル「目だる」も作った。廃材のベニヤ板などを使った小屋の表は、真っ白で猫の顔が描かれている。内側は子どもたちが自由に絵を描いた。

 南風さんは「かわいい人間にかわいがられる猫たちだが、その裏には殺処分など厳しい現実がある。『表と裏』というタイトルで、現状を感じられる作品にしたかった」と語った。小屋は、浦添市港川の「Proots」で9月3日から30日までの日程で開かれるイベント「ぼくとねこ展」で紹介される。

 参加した山川夢斗君(8)=伊良波小学校2年=は「くぎをトントンしたのが面白かった。ペンキの臭いで疲れたけど楽しかった」と話した。仲西櫂駿(かいと)君(6)=上田小学校1年=は「ペンキを塗るのが一番楽しかった」と笑った。