玉城、佐喜真氏が互角 2割強、態度未定 浮動票の獲得が鍵 琉球新報・共同通信世論調査


この記事を書いた人 大森 茂夫
激しい選挙戦を繰り広げる佐喜真淳候補(左)と玉城デニー候補

 30日投開票の沖縄県知事選を前に、琉球新報社と共同通信社は22、23の両日、電話世論調査を実施し、選挙戦の情勢を探った。本紙の取材や14~16日に実施した前回調査の結果を加味すると、県政与党が支援する無所属新人で前衆院議員の玉城デニー氏(58)と、無所属新人で前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)=自民、公明、維新、希望推薦=が互角の戦いを繰り広げている。ただ、2割強の有権者が投票先を決めておらず、浮動票の獲得が最終盤の情勢を左右しそうだ。

 選挙に「大いに関心がある」「ある程度関心がある」と答えた人の割合は91・0%で、知事選への関心の高さがうかがえた。

 最大の争点を聞くと、米軍普天間飛行場の「返還・移設問題」が54・4%と最も高く、前回の調査と同様に基地問題への関心の高さがうかがえた。次いで「経済振興・雇用」が22・1%、「教育、子育て」が8・1%、「医療、福祉」が7・7%と続いた。

 玉城氏は、「普天間返還・移設問題」を最大の争点に挙げる人々から高い支持を得る傾向にある。一方、佐喜真氏は、「経済振興・雇用」を最大の争点に挙げる人々から支持が厚い。

 地域別では、沖縄市やうるま市、本島北部など衆院沖縄3区と重なる地域や那覇市で玉城氏が浸透している。佐喜真氏はこれらの地域で支持を拡大している。地元宜野湾市や浦添市など沖縄2区と、南部や先島など沖縄4区と重なる地域では着実に票を固めている。

 態度未定の大半が支持政党を持たない無党派層となっており、無党派層対策と、都市部の浮動票対策が当落の鍵を握りそうだ。年代別では、玉城氏が比較的高い年代で先行しているのに対し、佐喜真氏は20~30代の若年層で勢いがある。

 支持政党別では、佐喜真氏は自民支持層の7割以上を固めた。公明と維新の支持層は佐喜真氏を支持する傾向が強いが、一部は玉城氏に流れている。

 玉城氏は社民、共産、社大、自由、国民民主、立憲民主などの票を8~9割近く固めた。全体の5割近くを占める無党派層では、玉城氏が浸透し、佐喜真氏が猛追している。無党派層の約25%は投票態度を明らかにしていない。他に立候補している渡口初美氏(83)と兼島俊氏(40)は支持を伸ばし切れていない。