宜野湾市長選 争点を探る(2) 子育て施策 保育士確保が急務


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

幅広い支援求める声も

静かにお昼寝する園児たち=21日、宜野湾市内

 宜野湾市の2018年4月時点の待機児童数は99人と、県内で2番目に待機児童が多かった2015年の350人から減少傾向にある。全国的に待機児童が課題となる中で、市は入所定員を15年に比べ1390人増やし、解消に取り組んできた。

 市内のある認可保育園。子どもたちの笑い声や遊ぶ声が響く。この園では0~5歳児の100人余を預かるが、同園の園長は「保育業界全体が今、人材不足だ」と訴える。待機児童解消に向けた施設整備に伴い、保育士不足が喫緊の課題となっている。市は保育所の合同就職説明会や保育士資格取得に向けた支援講座などを開催し、保育士の掘り起こしや人材確保を図っているが、「賃金を上げて募集しても、人が集まらない」(前出の園長)という。

 園長は、市内全体の入所定員数だけを見ると「(待機児童の問題は)解消していると思う」と話すが、「子どもたちを見る職員がいないと、園側も受け入れたくても受け入れられない。職員不足をなんとかしないと解決は難しい」と指摘する。

 3人の子どもを連れて市内の公園を訪れていた会社員の女性(32)=市野嵩=は、5歳の子を認可外の保育所に、3歳と2歳の子は認可保育所に預けている。宜野湾市では、2人以上子どもを認可保育所に預けると、一定の保育料助成を段階に応じて受けられる。5歳の子は認可保育所に入れず、認可外を選択した。「認可外とか認可とか関係なく、共通した助成や支援がほしい」と切実な思いを語る。

 30日に投開票される宜野湾市長選に立候補した仲西春雅氏(57)と、松川正則氏(65)は、それぞれ子育て支援政策を重要課題と位置付ける。保育料の無料化、保育士の処遇や待遇の改善では共通する政策もある。

 仲西氏は、認可保育所だけでなく、認可外保育施設への支援策の充実を掲げる。また保育の無料化をはじめ保育環境の整備を訴える。

 松川氏は、保育士の復職支援やICT導入による業務負担軽減を訴える。また保育料無料化や認可保育園などの創設への助成を掲げる。

 (宜野湾市長選取材班)