竹富と津堅、あす投票 沖縄県知事選 台風接近で繰り上げ


この記事を書いた人 大森 茂夫
県知事選の期日前投票で1票を投じる有権者=14日、那覇市役所

 沖縄県知事選投開票日の30日にかけて台風24号が沖縄地方に接近する可能性が出てきたことを受け、県選挙管理委員会(当山尚幸委員長)は25日夜、臨時会議を開き、竹富町の全投票所とうるま市の津堅島の投票日を27日に繰り上げることを決めた。開票所まで投票箱を届けられなくなる事態を避けるための判断。今後、台風の進路によって宮古島市や座間味村、南城市の離島でも繰り上げ投票の地域が増える可能性があり、各市町村選管は台風の備えに追われている。

 投開票日の30日は悪天候が想定されることから、県選管は有権者に期日前投票を呼び掛ける。県選管の担当者は「26日以降も台風の動向によって変更が出てくる可能性があり、対応についてその都度速やかに周知していく」と述べた。

 座間味村選管では、期日前投票所を設置している座間味島と阿嘉島とを結ぶ村内航路が26日から欠航する可能性が高いことから、当初は28日だけ開設の予定だった阿嘉島での期日前投票所を、26~29日に期間を拡大して設置する。

 公職選挙法第57条は、天災などで投票を行うことが難しい場合に、投票所によって選挙を延長することができる「繰り延べ投票」を定めている。2014年の豊見城市長選は台風の影響で投開票が1週間繰り延べられた。

 県選管は「繰り延べ投票は道路の遮断や投票所の損壊で物理的に投票ができないといった事態が例示されている。特別警報が出るなど台風の規模などを慎重に見極めないといけない」と説明し、今後の台風の進路や規模を見ながら随時対応を発表していく考えだ。

 竹富町では町内の島々の投票箱を石垣島に集めて開票を行っているが、台風の影響で定期船が26日以降は運休となることから、25日のうちに投票箱を各離島に送った。同町では当初から29日に投票日が繰り上げられていたが、海上保安庁や自衛隊の協力で投票箱を輸送することができる27日に投票日をさらに前倒しする対応となった。