島マス塾、琉大講座に 戦後沖縄の「福祉の母」の理念受け継ぐ


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受講を呼び掛ける(左から)宮里大八特命准教授、沖縄市社会福祉協議会の積静江会長、金城和彦事務局長=同社協

 【沖縄】2015年度まで23年間、沖縄市で続いていた社会人講座の人材育成塾「島マス記念塾」が、今年12月から琉球大学で共通教育科目の「ソーシャルキャピタル構築講座(島マス記念塾in琉大)」として復活する。来年2月初旬まで毎週土曜の全15回の予定で、一般の受講も可能。卒塾生や社会福祉団体関係者ら外部講師が、地域での取り組みや課題について講話する。

 島マス塾は昨年度、琉球大の公開講座として開講されていた。本年度は正式講義となり、基準に達した学生には単位が与えられる。

 琉球大と沖縄市は今年3月に包括連携協定を締結し、人材育成や学術研究振興に取り組んでいる。講座では子どもの貧困や地域福祉といった社会的課題や、観光による街づくりなどがテーマとなる。

 塾の名称となっている故・島マスさんは戦後沖縄で福祉活動に貢献し、「福祉の母」と呼ばれる。塾は島さんの理念を受け継ごうと沖縄市社会福祉協議会が開設し、15年度までに425人が卒塾した。

 講座について市社協の積静江会長は「各地で卒塾生が活躍している。継承していただき、ありがたい」と述べた。琉大の宮里大八特命准教授は「沖縄の課題について幅広い世代で話し合える」と呼び掛けた。

 講座では受講生を募集している。問い合わせは、琉球大学公開授業担当窓口(電話)098(895)8019。