熊本米使った「泡盛」 久米仙酒造が開発


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日本泡盛を開発した久米仙酒造の比嘉洋一社長=25日、那覇市仲井真の久米仙酒造

 久米仙酒造(比嘉洋一社長)は、熊本産の米を使った泡盛「日本泡盛」を開発し、限定5千本で販売している。泡盛の原料はタイ米が主流だが、米作りで日本遺産に認定されている熊本県の菊池川流域で育った米ヒノヒカリを使い、従来の泡盛と同じ製造方法で製造した。食べてもおいしい日本米の、甘い香りとまろやかさが特徴だ。熊本地震の復興支援にもつなげる。

 生産者の顔が見えることにもこだわり、農家の一人である堤公博さんの写真と声を商品説明に盛り込んだ。

 県外の取引先の酒販店から、おいしい食用の日本米を原料にしてみてはどうかとの提案をきっかけに製品化に取り組んだ。

 現在は新酒として販売しているが、東京五輪が開かれる2020年に向けて、3年古酒バージョンも造る予定。5千本のうち2千本は3年古酒としてインバウンド向けに売り出す。現在はネット通販と物産展を中心に販売している。売れ行きによっては追加販売する。

 米の香りを残すため、アルコール度数を35%と高めにした。水割りではなく、ロックで溶かしながら香りを楽しんで飲むのがお勧めだ。

 今後、京都や北海道など全国各地の生産農家と協力してシリーズ化し、県外で泡盛の認知度を高めたいとしている。価格は720ミリリットルで税込み2138円。

 比嘉社長は「製造方法は同じでも、米を替えただけでかなり味が変わる。県外の人にも泡盛に興味を持ってもらいたい」と語った。