「種受け継ぎ、花咲かす」 宜野湾市長に松川さん 副市長からトップへ 


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当選し花束を受け取る松川正則氏(左)=30日午後11時24分、宜野湾市普天間

 【宜野湾】当選を告げる一報が届くと、普段は冷静な松川正則さん(65)も思わず頰を緩めた。喜びで目を潤ませ、支持者に何度も頭を下げた。沖縄県宜野湾市で佐喜真淳前市長の後継者として市政の継承・発展を訴え、相手候補に5239票差をつけて初当選した。拍手と指笛で沸き上がる事務所で支持者らの声援を受け、カチャーシーを舞った。

 2012年に副市長に就任し約6年半、佐喜真さんを支えた。事務所に着いた直後、県知事選に立候補していた佐喜真さんの落選を知ると、眉間にしわを寄せて終始、厳しい表情で市長選の結果を待った。米軍普天間飛行場の閉鎖・返還や生活の向上に向けて「市長の重責をしっかりと果たす」と力を込めた。

 市長選への出馬表明後は、休む間もなくあいさつ回りや手ぶりを続けた。慣れない選挙活動だったが、強い日差しの日も、風吹く雨の日も妻・秀子さん(65)から贈られた運動靴で奔走した。当確を支持者と喜んだ後、そばにいた秀子さんの手をぎゅっと握った。

 宜野湾市役所に入庁してから45年間、宜野湾市の発展に力を注いできた。選挙戦では「これまで市民生活を一番に掲げて行政を担ってきた。市政をさらに発展させられるのは私しかいない」と強く訴えた。行政手腕については佐喜真さんが「私より実力がある」と評したこともある。宜野湾市のさらなる発展に向けて、百戦錬磨の行政マンが市民の先頭に立って走りだす。