議長選19回も決まらず 与那国町議会 与野党同数で少数避けて辞退


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新議長が決まらず、議長選を繰り返す与那国町議会=2日、与那国町

 【与那国】沖縄県与那国町議会(定数10)の新しい議長が決まらない。9月に選挙が行われ、新たなスタートを切った議会だが、2日までに19回行われた議長選で、選ばれた議員全てが辞退しているためだ。議席は外間守吉町長支持の与党と不支持の野党が5議席ずつ分け合っており、採決に加わらない議長の選出を避けたい与野党の思惑が真っ向からぶつかっている。異例の事態の収束は見えない。

 議長選はまず、改選後初めて開かれた定例会初日の9月28日に8回行われた。いずれも与党は野党議員に、野党は与党議員に投じて5票ずつの同数となったが、くじで当選した議員が就任を辞退した。10月1日には6回、2日は5回投票が行われたが、同様に辞退が繰り返された。

 2日の議長選は、与野党共に、議長経験者の与党・前西原武三氏と野党・田里千代基氏に“照準”が絞られた。休憩を挟みながらも1回当たり30分弱の作業が延々と続く状況に、議員の表情にも疲労の色がうかがわれ、くじの当選者の「辞退します」との言葉にため息も漏れた。

 徒労感が漂う一方で、与野党双方とも譲る気配はない。前西原氏は「定数を6から10に増やした野党が責任を持つべきだ。教育長人事の否決が続くなど、町政運営に影響を及ぼす可能性がある」とし、田里氏は「慣例として与党が出すべきだ。長期にわたる現町政の問題点を議場でじかに指摘するとの姿勢を5人で確認している」と強調する。

 町議会は議長が決まらないため、議案審議にも進めていない。外間町長は「行政提案も審議されない状況で、町民のことを考えた議会運営かは非常に疑問だ。一刻も早く正常な議会になってほしい」と話した。