鶴田(成年男子グレコ87キロ)準優勝 福井しあわせ元気国体


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 【福井国体取材班】第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」は3日、福井県内で各競技を行った。レスリングの成年男子グレコローマンスタイル87キロ級の鶴田峻大(西崎中―沖縄尚学高出、自衛隊体育学校)は決勝まで勝ち進み、岡(鳥取)に0―5で敗れたものの準優勝と健闘した。同72キロ級の島袋慶生(浦添工業高―日体大)、同97キロ級の饒波正眞(浦添工業高―九州共立大)は準決勝で敗れた。カヌーは成年男子カナディアンシングル(200メートル)で県出身の大城海輝(沖縄水産高―鹿屋体育大出、三重県体協)が8位入賞した。ボウリングは成年男子個人の大城安史(りゅうせき低温物流通)が予選を4位で通過し、4日の決勝へ駒を進めた。

◆競技歴3年半の成長株

成年グレコローマンスタイル87キロ級決勝 ポイントを先行されながら逆転の機会をうかがう鶴田峻大(左)=3日、福井県おおい町総合運動公園体育館(ジャン松元撮影)

 沖縄尚学高時代までは柔道選手だった鶴田峻大(自衛隊体育学校)が、レスリングに転向して3年半、初出場の国体で一気に決勝まで駆け上がった。成年男子グレコローマンスタイル87キロ級、全日本王者で所属チームの先輩・岡太一(鳥取)に挑むも、警戒していた四つ組みから体勢を崩され、投げられる。結果は0―5。頂点にはあと一歩届かなかった。

 主戦場で五輪階級ではない82キロ級から五輪種目階級の87キロ級へ変更して臨む初の大会だった。この1カ月で8キロ増量した。体の重さを感じるも、力負けが少なくなったという。投げ技に沈んだ敗北に「あの技をかわしていれば、試合の流れは変わっていたのかもしれない」と悔しさがにじむ。その一方で「87キロ級のレベルも分かった。収穫はあった」と確かな自信も得た大会となった。

 決勝でも自身のスタイルの差し押しで1点を取りにいく体力勝負を仕掛けた。しかし四つの状態からの展開力に定評のある岡に思うよう組めなかった。パッシブで先制を許し、四つ組みから体勢を崩され、「一瞬弱気になってしまった」ところを投げられた。日頃練習することもあり、「変に警戒をしすぎていた。組まれた瞬間に日頃負けるイメージがあり、びびってしまった」と振り返る。

 自衛隊体育学校へ進学後、柔道選手の受け入れ枠が埋まったため、誘いを受けてレスリングを始めた。競技歴は浅いが、柔道で培った足腰の強さを武器に日本代表候補にまで成長。東京五輪出場を見据える。

 惜しくも逃した世界選手権には練習パートナーとして帯同。11月にはU―23世界選手権の大舞台があり、12月からは東京五輪の選考にも関わる全日本選手権を控える。

 「自分のスタイルに加え、ポイントを取れる技を身に付けていきたい」。世界の経験をさらなる飛躍につなげていく。
 (屋嘉部長将)