今週も、また―。9月29日に台風24号が直撃したばかりの県内で4日、台風25号が接近し暴風警報が発表された。息つく間もなく襲来する台風に、漁協関係者らは疲れをにじませた。交通機関がストップし、仕事や学校など多方面に影響が出た。
那覇市港町の泊漁港では、船が互いに接触しないよう岸壁にロープで固定するなど対策を取る関係者の姿があった。那覇地区漁協職員の末吉善次さん(35)=豊見城市=は「この前の台風でほぼ仕事ができていないのに、また来た。今年は台風が多く参っている」と話した。泊漁港内の「泊いゆまち」でまぐろ店を営む那覇市の大城安雄さん(58)は「お客さんの8割は観光客。台風続きで客足が減り、売り上げに影響している」と心配そうに語った。
那覇空港には、航空券を払い戻したり日程を変更したりする県民や観光客が詰め掛けた。実家のある宮古島に行き、台風24号の後片付けをする予定だったという久高義久さん(68)=那覇市=は「また台風が来たせいで帰れなくなった。自然には逆らえない。来月帰ることにする」と残念そうだった。
兵庫県から娘と観光に訪れた佐々木優子さん(71)は、4日に関西国際空港経由で戻る予定だったが、5日に伊丹空港から帰ることになった。「台風が来るのはまだ先だと思っていた。早まった感じがする」と話した。
雨が降り続いた4日昼、那覇市内の小学校前では下校が早まった児童を迎えに訪れる多くの保護者の姿があった。那覇市立城岳小は、午後1時半ごろまでには全ての児童が学校を後にした。息子2人を迎えに来た山口伸子さん(46)は「道路は渋滞していて、学校に到着するのにも時間がかかった。安全のため自宅で子どもと待機する」と話し、強風にあおられながら家路を急いだ。【琉球新報電子版】