最大25万戸余の停電が発生し、暴風による建物の損壊が相次いだ台風24号の直撃からわずか1週間。再び沖縄地方を襲った台風25号は沖縄県内各地で土砂崩れや冠水などを引き起こした。台風24号の直撃以降、7日間連続で停電が続いていたり、停電から復旧したばかりの地域でも再び停電が発生したりするなど、住民からは「またか」「うんざりだ」との声が上がった。サトウキビなど農作物にも被害が出ており、県民の生活や産業に大きな爪痕を残した。
東村の高江公民館は台風24号の影響で9月29日に停電し、10月1日に復旧したが、台風25号が接近した4日夜には再び停電した。東村高江区長の仲嶺久美子さん(68)は「ようやく復旧したのに、また停電した場所もある。うんざりだ」と漏らす。2週連続の台風接近で、自宅の片付けが追い付かないという。仲嶺さんは「木々が折れ、庭の周辺は足の踏み場もないぐらいだ。自然災害でしょうがないかなとも思う」と声を落としつつ、早期の復旧を願った。
東村平良の男性(68)は自宅の一部が7日間にわたって停電し、近所から電源コードを借りるなど翻弄(ほんろう)された。「この状態がまた1週間以上続くのではないか」と復旧の遅れを懸念した。
小菊の拠点産地に認定されている糸満市では、台風24号の影響で多くの電照菊畑が停電、台風25号による暴風雨がさらなる追い打ちを掛けた。
市名城で30年余にわたり小菊を栽培する女性(72)の畑は台風24号の影響で3日間停電し「4日以上停電すると、小菊に影響がでるので、3日目ぎりぎりで電気がついて良かった。3日も停電するのは初めてだ」と語った。
4日間、停電していたという市糸洲の菊農家の男性(70)は「たて続けに台風が来てしまった。年末の墓参り用に出荷する菊を栽培しているが、茎が曲がると商品価値が落ちる」と困り果てた様子だった。