第73回国民体育大会・福井しあわせ元気国体は6日、福井県内各地で行い、重量挙げ少年男子53キロ級の榮蒼(沖縄工業高)は、スナッチ88キロ、ジャーク111キロと自己ベストを更新、トータル199キロで3位入賞を果たした。陸上の少年女子共通円盤投げで城間歩和(中部商高)が42メートル96の今季ベストで4位に入った。
なぎなた成年女子試合で沖縄は2回戦で三重を3―0で下し、3回戦進出を決めた。
空手道では成年男子組手個人軽量級の仲程一織(拳龍同志会)と成年女子組手個人の新垣夏紀(近大)が3回戦で敗れた。
ボクシングでは成年男子ウエルター級の平仲信裕(芦屋大)と成年男子ライトヘビー級準々決勝のジュリアン・ジョンソン(沖縄水産高教)が準決勝進出を決めた。埼玉から出場している県出身の金城大明(自衛隊体育学校)もウエルター級で4強入りした。
◇高校最終試技 榮、自己新で有終
111キロのバーベルを力強く差し挙げ、試技を成功させると、両手でガッツポーズ。声にならない声で喜びを爆発させる。その姿に県選手団も拍手を送り続けた。少年男子53キロ級の榮蒼(沖縄工業高3年)の試技を見守った同校の平良真理監督は「努力は裏切らない。結果で示してくれた」としみじみと語る。榮は高校の集大成となる大会で、スナッチ、ジャークともに自己ベストを更新し、3位入賞を決めた。
5位だった全国高校総体(8月)は、両種目とも「記録にこだわった」3本目を失敗。大事な場面でミスをした。悔しさをバネに練習に打ち込み、国体に向けた練習期間中は、憧れの先輩・成年77キロ級の宮本昌典の助言も受けた。「ほんの少し腰の位置を変えるなどのアドバイスを受けた。全く変わった」と充実した日を振り返る。
迎えた本番、スナッチは1本目の83キロは危なげなく決め、続く86キロ、88キロも力強く差し挙げた。ジャークは106キロを成功させると、次は自己ベストタイの110キロ。しかしバランスを崩してしまい失敗。勝負の3本目、「弱気になったら終わり」と練習で1度も触ったことのない111キロに挑戦し差し挙げた。いずれも「記録にこだわった」最終試技を決め切った。
高校卒業後は、宮本がいる東京国際大に進学する予定だ。「大学ではもっと練習を重ね、日本一を取る」。試技後に悔やむ姿はもうそこにはない。自信みなぎる表情が輝いた。
(喜屋武研伍)
◇けが乗り越え、充実の一投 少年女子円盤投げ・城間
けがで悔しい結果が続いていた城間歩和(中部商高)が少年女子共通円盤投げで4位をつかみ取った。今季の全国大会では決勝後半に進むことができず、悔し涙を流すことが多かった。しかしこの日は「笑顔で楽しみ、強気でいったら最後まで投げられた」と充実感をにじませた。
調子は良かったものの「予想外に緊張しすぎていた」と慎重になりすぎていた。ターンのスピードが出ず1投目は40メートルをわずかに下回った。2投目で41メートル76の今季ベストを決めて、3位で後半3本へ臨んだ。
4投目以降はターンのスピードを上げて攻めた。さらにブロックからの振り切りに意識した5投目で今季ベストを更新する42メートル96をマーク。県選手団からも歓声が湧いた。
昨年は全国高校総体、国体で準優勝した。「去年はうまくいきすぎて気負いすぎていた」と練習に熱を入れすぎ、ことし2月に左膝半月板損傷で出遅れた。「苦しいだけだった」と競技を離れることも考えたが、周囲の支えから競技への熱は冷めなかった。
次に目指すは19日から始まるU18日本陸上競技選手権大会だ。「2週間で投げを見直して、次こそ自己ベスト(45メートル91)更新です」。長いトンネルを抜け、過去の自分を追い抜く日も近そうだ。
(屋嘉部長将)