9月下旬から10月上旬にかけて沖縄地方に相次いで接近した台風24号、25号の影響で、県内の輸血用血液の不足が続いている。台風接近で那覇市久茂地のくもじ献血ルームが閉鎖されたほか、バスによる移動献血も中止となった。献血が実施できなかったことに加え、台風による航空便欠航で県外で行っている検体検査ができなかったためだ。県内だけでは十分な量の血液が確保できていないため、九州各県からの提供を受け補っている。
県内で献血した血液は、輸血用血液としてすぐに使用できるわけではない。献血の検体を空輸で福岡県久留米市にある九州ブロック赤十字血液センターへ送り、検査する必要がある。検査で合格した献血のみが輸血に使える。沖縄地方だけでなく、九州への台風接近で航空便が欠航している間は、県内で献血しても検体を検査することができない。
県内の血液が不足した場合、九州各県で補い合っている。県内の医療機関へ血液製剤を供給する県赤十字血液センターによると、9月28日から10月17日までの間に計約100人分の血液を九州各県から県内へ移送してもらったという。
県赤十字血液センターは移動献血を予定より増やすなど十分な血液の確保を模索している。同センターは「血液は生もので、採血後、21日間しか保存できない。平均的に安定して在庫を確保しておかないといけない」と献血への協力を呼び掛けている。