【島人の目】オリバー家 夢の沖縄移住


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 「いつか沖縄で音楽祭を開催したい」との夢を抱いてきた北米沖縄県人会会員のドーナ・オリバーさん(52)から家族で沖縄に移住するとの報告が9月下旬にあった。ドーナさんの母、仲松武子さんは中城村出身、父はヨーロッパ系米国人だ。ドーナさんはロサンゼルス近郊で生まれ、映画関係やテレビのコマーシャルの仕事に従事してきた。夫ロビンさんも長いこと映画やTVの助監督、マネジャーをしてきた。10月上旬、オリバーさん一家は、沖縄に向け旅立っていった。

 ドーナさんは母の故郷、沖縄に小さい時から興味を抱いて育った。特に沖縄に住む祖母の仲松静子さんの影響が大きかったという。ドーナさんの娘、ティークさん(26)と一緒に何度も沖縄を訪問するうちに、徐々に「沖縄に住みたい」と思いが膨らんでいったという。そんなドーナさんの思いに、ロビンさんも全面的に同意するようになった。

 ドーナさんの弟ノーマン・フェーウェルさん(50)は名桜大学の上級准教授として沖縄生活が長い。一家は当分、与那原町にあるノーマンさん宅に滞在して情報集めをするという。「与那原は多少田舎だが、今はインターネットやスマホの時代、実際の活動は那覇近郊になるが、当面の暮らしに差し支えはない」と話していた。

 ドーナさんらは音楽のみならず、フィルム(映画)も作成する予定だという。娘のティークさんもカリフォルニア大バークレー校卒業後、沖縄に移住する。沖縄女性の母を持ち、米国で生まれ、長年住んだ米国を離れ、沖縄でビジネスを起業して生活基盤を沖縄に設定するというのは、興味深い話だ。成功を祈っている。
 (当銘貞夫、ロサンゼルス通信員)