【ボリビア】日本が協力 道路補修へ オキナワ移住地 来年着工、42億円無償資金


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オキナワ移住地を通る県道

 オキナワ移住地の道路整備のため、南米ボリビアは日本とこのほど、主要都市ラパスで42億4900万円を限度額とする無償資金協力に関する書簡を交換した。9月28日には、サンタクルス市のカサ・グランデホテルで調印式が行われ、エボ・モラレス大統領をはじめ政府関係者、国際協力機構(JICA)ボリビア事務所の小原学所長、県系人らが出席した。

 日本政府が無償資金協力する「オキナワ道路整備計画」は、オキナワ第1移住地から第3移住地を経て、主要経済都市のサンタクルス市工業団までを結ぶ全長63キロの道路の舗装や改良をする。今回調印したのは、第1期として第1移住地から第2移住地までの区間19・1キロの道路舗装、橋架け替えや排水施設の整備などを行うもの。

 オキナワ入植65年、ボリビア日本人移住120周年を迎える来年に着工する。ボリビア政府が「小麦の首都」に認定するオキナワ移住地にとって、移住地間の安全な交通が確保できるほか、主要経済都市へのアクセスが改善されることで、農産物搬送など物流の円滑化も図れ、経済発展も期待できる。

道路整備ための無償資金協力に関する書簡に調印をしたプラド企画大臣(右)と小原学JICAボリビア事務所長=9月28日、ボリビア・サンタクルス市のカサ・グランデホテル

 調印式には、大統領のほかマリアナ・プラド企画開発大臣、オキナワ村のラウル・コンドリ村長、オキナワ村議員、オキナワ日本ボリビア協会の中村侑史会長らが出席した。沖縄県幹部も出席した。

 モラレス大統領はあいさつで「日本には、過去にも資金援助を頂いている。他の先進国とは異なる日本の無償援助には常に感謝している」と話した。プラド企画大臣も「地域経済発展への支援に感謝する」と述べた。

 小原所長は「ボリビアへのJICA技術協力40周年を迎える今年、本事業による両国のさらなる親善を期待する」と話した。

 第2期は、オキナワ第2移住地から第3移住地までの道路をサンタクルス県が舗装し、第3期は第3移住地からサンタクルス市までをサンタクルス県が新たな融資を受け、工事する。
 (安里玉元三奈美通信員)