FC琉球、悲願目前 サッカーJ2昇格、28日にも確定 慢心なく、アウェー長野戦へ


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ミニゲーム形式の練習、本番さながらの熱いプレーを見せるFC琉球の富樫佑太=24日、西原町の東崎公園サッカー場

 サッカーJ3の首位を独走するFC琉球が、J2昇格を目前にする。長野市の南長野運動公園総合球技場で28日にある第29節・AC長野パルセイロ戦で勝利し、かつ同日に行う2位の鹿児島ユナイテッドFC、4位のアスルクラロ沼津が両チームとも引き分け以下の結果になると、来シーズンのJ2昇格が決まる。J3参入から5年目の快挙を前に、金鍾成監督は「絶対に勝てるという保証はなく、そんなに勝負は甘くない。いつも通り琉球のサッカーをするだけだ」と慢心はない。
 (喜屋武研伍)

 現在5連勝中と「連勝街道」を突き進む琉球の戦績は、18勝5分け4敗で勝ち点は59。前節の鳥取戦は後半のロスタイムで2点奪い、逆転勝利。2位の鹿児島は勝利したが、4位の沼津は敗れたことでさらにJ2昇格が近づいた。

 2位以内のチームがJ2へ自動昇格する。他の上位は現在、2位鹿児島が勝ち点48(残り5試合)、3位ザスパクサツ群馬が勝ち点47(同)、4位沼津が勝ち点44(残り6試合)。28日に琉球が長野に勝利すると勝ち点は62。次節は3位の群馬は休みだが、鹿児島、沼津がともに引き分け以下の結果になると昇格が確定する。

 大一番を前に琉球の選手らは24日、西原町の東崎公園サッカー場で練習に汗を流した。ミニゲーム形式の練習には、終始真剣な表情で取り組む。得点を決めても「もう1点取ろう。勝ち切ろう」と声を掛け続け、調整に余念はない。琉球の守護神で主将を務める朴一圭は「チームの中で慢心してる人なんか1人もいない。目の前の試合に勝つ。そして昇格、優勝を決める」と気を引き締めた。

金鍾成監督

 在籍8年目でメンバー最古参の富所悠は、悲願のJ2昇格を前に「入ってからずっと昇格のことを思ってきた。周りに感謝しながらどんな形でもチームに貢献したい」と活躍を誓った。

 長野戦は28日午後1時から、長野市の南長野運動公園総合球技場で。同日は琉球新報社泉崎ビル1階でパブリックビューイングが開催される。参加費は無料。

 金鍾成監督(FC琉球)の話 前節もそうだが最近は、選手たち自身で考え抜いてプレーしていると感じる。カウンターのリスクを計算しながらもうまく攻め続け、最終盤で勝利をつかんだ。J2昇格も多少意識はしているが、次は選手がどんな変化をもたらしてくれるか、楽しみだ。

サポーター代表・池間弘章さんに聞く/「どう喜ぶかしか考えてない」

FC琉球への思いを熱く語るサポーター代表の池間弘章さん

 「12人目の選手」としてスタンドをベンガラ色に染めてきたFC琉球のサポーターたち。2003年の創設から琉球を支え、現在はサポーター代表も務めるフットボールカフェ・カンプノウ店主の池間弘章さん(54)に、J2昇格を目の前にしたチームへの胸中を聞いた。

 (聞き手・喜屋武研伍)

 ―J2昇格が間近に控えるが、心境は。

 「昇格の瞬間をみんなでどう喜ぶかということしか考えていない。選手たちもクラブも頑張っている。1戦1戦大事に応援したい。昔から琉球を知っている人も最近知った人も、全員で琉球のJ2昇格と優勝を共有できたらもっと良いね」

 ―前節の鳥取戦で試合終了直前に2点追加し、逆転勝利した。

 「優勝するチームの勝ち方だなと思った。サポーターみんなで見ていたが、しびれたね」

 ―28日の長野戦はどこで観戦するのか。

 「多くのサポーターは現地か、パブリックビューイングで試合を見る。僕はいつも通り、(カンプノウ)店内で見る予定。ルーティンを崩してしまったら、チームが負けてしまいそうでね」

 ―J2昇格の楽しみは。

 「沖縄の人はJ1、J2のゲームを見に行くことが地理的に難しい。(昇格なら)キャンプだけじゃなくて県内でJ2の試合が見ることができる。サポーターでいっぱいのスタジアムを、沖縄で見られるのは楽しみだ」