緑ヶ丘保育園を宜野湾市長視察 求められる当事者意識


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神谷武宏園長や児童の保護者らと意見交換する松川正則市長(奥中央)=25日、宜野湾市野嵩の緑ヶ丘保育園

 宜野湾市の松川正則市長が、就任後初めて緑ヶ丘保育園を視察した。事故から10カ月以上が経過したが、米軍は部品落下を否定し、事故の原因究明は全く進んでいない。保護者らが求める全容解明や園上空の飛行禁止に対し、松川新市政が今後どこまで積極的に日米両政府などに要請し、米軍機の飛行状況を発信するか注目される。

 松川氏と園関係者による面談では、署名活動などをしてきた保護者から「これまで市行政に寄り添ってもらっている感覚がなかった」「孤立感があった」など悲痛な言葉が相次いだ。佐喜真淳前市長は事故当日に園を訪れたが、事故から1週間後の嘆願書提出で保護者と面談して以降は、一度も会うことはなかった。 

 松川氏は視察後、記者団に「県警の調査状況の問い合わせや防衛局への申し入れは副市長としても取り組んできたが、情報交換ができていなかった。情報はしっかり提供したい」と園に寄り添う姿勢を強調した。

 今月15日に視察の要請を受けてから10日後の訪問に保護者から「心強い」との声が上がり、前市政に比べ丁寧な対応との評価だ。

 園上空を連日米軍機が飛行し、保護者の不安が拭えない中、市にはこれまで以上に園に寄り添い、当事者意識を持った対応が求められる。(長嶺真輝)