県民投票条例可決 97年市民投票で「反対」多数 賛否 名護市民は複雑


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 【名護】1997年に米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の是非を問う市民投票を実施した移設先の名護市の市民からは20年越しの住民投票に「政府のやり方が間違いであると突き付ける機会だ」「工事が進んでいる」などの声が上がり、賛否が割れた。

 市民投票では、反対票が1万6639票と、賛成票1万4267票を上回り「反対」の民意が示された。辺野古区の島袋権勇さん(70)は県民投票について「民意の定義は何なのか」と疑問を呈する。「『投票で勝った側が民意』ということなのか。県政や投票を進める団体には、投票率や民意の定義をきちんと定めてほしい」と求めた。市役所を訪れていた30代女性は「基地はみんな反対だが、工事は進んでいるから止まらないのではないか」と県民投票を疑問視した。

 97年に名護市民投票推進協議会で事務局長を務めた仲村善幸さん(71)は「ずっと民意が無視され続けている。改めて県民の民意を問うことで、政府のやり方が間違いであると突き付けたい」と強調する。今回、賛否の2択になったことに「4択になると民意がまたゆがめられる。純粋な気持ちの意志表示になる」とした。協議会で代表を務めた宮城康博さん(58)も「当時、有権者の意志は、はっきり示された。県全体で意思を示すのはいい機会だ」と話した。