プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区)は27日、沖縄市体育館で川崎ブレイブサンダース(東地区)と今季第10戦を行い、72―75で惜敗した。今季の成績は8勝2敗となった。
第1クオーター(Q)は激しい守備からリズムをつかんだ川崎をキングスが追う展開。第2Qは須田侑太郞のスチールやプレスが反転攻勢のきっかけをつかむ。ミスで停滞しかけたが早めのタイムアウトでリセットすると、ジェフ・エアーズの3点弾から逆転して前半を44―39で折り返した。
第3Qに須田が負傷退場して10点差をつけられたが、第4Qにはエアーズやジョシュ・スコットらが奮起し、並里成のミドルシュートで同点へ。しかし、終盤に相手外国人選手に活躍を許し競り負けた。
次戦は11月、2、3の両日、東京都のアリーナ立川立飛でアルバルク東京(東地区)と対戦する。
▽Bリーグ1部(沖縄市体育館、3362人)
川崎(5勝5敗)
75―72(23―16,16―28,24―9,12―19)
キングス 8勝2敗
【評】川崎のガード陣の激しい守備もあり、キングスは先攻を許したが、第2Qで逆転に成功する。しかし第3Qは相手のゾーン守備に苦しみ、9―24と圧倒された。第4Qにジェフ・エアーズのリバウンドや古川孝敏の3点弾、並里成のミドルで同点に追い付いた。しかし、最終盤に川崎の外国人選手に内外からシュートを決められ、最後に振り切られた。
◆選手よくやった
佐々宜央HC(キングス)の話 立ち上がりから26日とは逆で、川崎を勢い付かせてしまった。第3Qでのプレーはいただけないが、あきらめずに奇跡を呼び込めそうな場面までいった。終盤にシュートが外れてしまったが、疲労が重なる中で選手たちはよくやってくれた。
◆出だしから勢い
北卓也HC(川崎)の話 連敗を止めることに選手らがフォーカスし、出だしからエナジーを出してくれた。負傷しているニック・ファジーカスを使いたくなかったが、彼のところで守備のズレができて、前半からコンスタントに点をとれたのは大きかった。
◆川崎に気迫、終盤で差 勝負どころで粘れず
連敗を止めようと、序盤からエナジー全開で攻めてきた川崎を相手に、キングスは抜きつ抜かれつのシーソーゲームを展開した。しかし、最後は川崎の個人能力や連係の前に、3点差で競り負けた。26日と逆の内容に佐々宜央HCは「(逆境を)2度もはね返したが、それにはエナジーが必要で、須田侑太郞の負傷でローテーションも十分にできず、最後は選手も疲労がたまってしまった」と悔しさをにじませた。
第1Q、川崎は激しい守備を展開し、攻撃ではニック・ファジーカスにミスマッチをつくり出し、点を重ねていく。しかし第2Q、キングスは須田の粘りある守備やスチールなどで逆転に成功した。
だが、第3Qで停滞してしまう。川崎が外国人選手3人で高さとゴール下の強さを発揮し、ゾーン守備でキングスのリズムを崩して先攻。佐々HCは「準備はしていたが崩壊してしまった」と振り返った。
一進一退の中、キングスが第4Q中盤で同点にしたが、再びファジーカスに得点を許し、最後はセットプレーで裏を突かれて惜敗した。
試合状況が激しく入れ替わるタフな展開に、並里成は「第3Qは川崎のゾーンに慎重になりすぎた。スペーシングで中にアタックしたかったが、コントロールがまだまだでした。課題を修正していきたい」と冷静に敗因を分析した。
(嘉陽拓也)