【ロサンゼルス】移民文学に寄与 山城さん死去 9月、102歳


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 長年ロサンゼルスで「移民文学」に寄与した帰米二世のコラムニスト、山城正雄さんが9月19日に死去した。102歳だった。

 1916年ハワイ生まれで、24年、沖縄に帰国。32年に再びハワイに戻り、数々の仕事に従事し、36年にロサンゼルスに渡った。高校卒業後、市立大学文学部に入学するが日米開戦のため退学を余儀なくされ、カリフォルニア州ツールレイキ強制収容所に収容され、同人誌「鉄柵」編集メンバーとして活動した。

 終戦後は、ロサンゼルスに戻り、地元の日語紙「羅府新報」の文芸欄で執筆活動を始める。70年から同紙に「子豚買いに」の題名でコラムを執筆し、40年以上にわたって連載した。84年には、これらをまとめた著書「遠い対岸」、「帰米二世」を出版した。

 90歳近くになっても「老人」と題して二つの詩集を出するなど精力的に執筆活動を行っていた。詩集は、老いを見詰めたもので、山城さんの遺作となった。
 (当銘貞夫通信員)