【ハワイ】笑い 楽しみ 心つなぐ ハワイで新喜劇、盛況 戦後の沖縄支援に感謝


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米ハワイ州で上演されたおきなわ新喜劇ツアー「心がつなぐアロハイサイ!」。カチャーシーを舞う出演者と観客ら=17日、同州のハワイ大学

 ガレッジセールのゴリさんがプロデュースする第5回おきなわ新喜劇ツアー「心がつなぐアロハイサイ!」(吉本興業、吉本クリエイティブ・エージェンシー、よしもとエンタテインメント沖縄主催)が17日、ハワイ大学であり、心温まる喜劇に会場は笑いの渦に包まれ、盛況のうちに幕を閉じた。2回公演だったが、ともに満席。地元のハワイの団体による演舞が披露され舞台に花を添えるなど、ハワイと沖縄の絆を深めた。

上演前にあいさつするガレッジセールのゴリ座長(中央)と川田広樹さん(左)ら

 オープニングでゴリ座長が、戦後焼け野原になった沖縄に救援物資や豚とヤギを送った、ハワイの人々に感謝の言葉を述べた。ゴリ座長は「英語圏のハワイで、どのように公演を進めていくのかという不安の中、できる限りの工夫を凝らして頑張る」とあいさつした。司会は1948年に豚を沖縄へ運んだ若者の1人である島袋シンエイさんの孫、ジョン糸村が務めた。

 唄者のよなは徹さんの演奏で、ショーがスタート。地元ハワイの沖縄系シニアでつくる「ラナキラ年長者クラブ」が島言葉ラジオ体操や踊りを披露した。クラブ代表のジェーン・比嘉さん(89)のリードで、観客も一緒に体操に参加、大にぎわいとなった。地元ハワイアンバンドの「Manoa DNA」の演奏後、喜劇が開幕した。舞台の両サイドのスクリーンには、役者のセリフが英語で表示された。

鑑賞するため、列をつくる人たち

 沖縄系3世マーク・比嘉さんは「たくさん笑い、楽しんだ。沖縄とハワイをつなぐイベントは大歓迎」と話した。

 公演前日には、ホノルル市内で新喜劇のメンバーを招いた歓迎交流会が開かれた。ハワイ沖縄連合会の中心メンバーや、豚を沖縄に運んだメンバーの子孫らが参加。新喜劇のメンバーは、当時の救援物資活動の様子や7人の有志のエピソードに感銘していた。一方、ハワイ側の参加者は口をそろえ、言葉では表せないほど感謝をしているとし、一行を歓迎するとともにこれからもハワイと沖縄の絆を深めることを誓った。
 (名護千賀子通信員)