浦添市の浦添運動公園(ANA SPORTS PARK 浦添)への農薬散布問題で、「機械刈り又(また)は手刈り」と市が定めた管理ルールに指定管理者が違反し、除草剤をまいていたことが31日までに分かった。指定管理者は同日、散布薬品名や経緯などを記した報告書を市に提出した。市は松本哲治市長名で「深くお詫(わ)びする」とのコメントを発表し、1日に公園内の土壌調査を実施する考えを示した。
指定管理者の「てだこサンサン共同企業体」(那覇市)は、公園の管理ルールとなる「浦添運動公園維持管理作業仕様」を基に事業計画書を作成。「仕様」内の「業務内容」の項目には「芝地、草地、法面(のりめん)を機械刈り又(また)は手刈りすること」と記している。
所管の市教育委員会文化スポーツ振興課によると、同企業体は本文3ページ、資料6ページの報告書を市に提出。9月17、18の2日間、事前の周知もなく、除草剤の「ラウンドアップ」を散布した。嵩元盛兼教育長は31日、本紙取材に対し、「公園では子どもたちも遊ぶ。(管理ルールを)どうして守れなかったのか。私たちも反省しないといけない」と話した。報告書は「内容を精査中」として、開示しなかった。
報告書の提出を受け、市は31日夕、ホームページに松本市長のコメントを発表した。周辺住民や公園利用者に「多大な心配と迷惑を掛けている」と謝罪。散布薬品に関する業者の虚偽報告についても「重ねて深くお詫(わ)び」した。さらに、健康被害の確認を優先する方針を示し、公園内の土壌や水質調査の実施を表明した。
松本市長は同日朝、除草剤の安全性調査を要請した市議会野党会派「仁の会」に対し、「(除草剤は)市販されているものであっても、子どもたちが遊ぶ市の公園に散布するのは不適切だった」と述べ、再発防止を図る考えを示した。