【アメリカ】生け花通して懸け橋に バージニア ボーゲルさん初花展


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
米国で初めて生け花展を開催した那覇市出身のボーゲル涼子さん=米バージニア州バージニアビーチ市

 バージニア州バージニアビーチ市で生け花を教えている那覇市出身のボーゲル涼子さん=旧姓・金城=がこのほど、花展「花美月」を初めて開催した。会場の中心には、彩り豊かな花々と流動的な枝ものを生けたボーゲルさんの力作が展示され、訪れた大勢の人たちの目を引きつけていた。ボーゲルさんは「前日のハリケーンの影響で停電になったり、開場が2時間遅れたりとハプニングがあったりしたが、7年目にして初めて花展を開くことができ幸せだ」と語った。

 ボーゲルさんは沖縄で、生け花インターナショナル沖縄支部で役員を務め、花展の通訳などで活躍した。2011年に夫の転勤で、バージニアビーチ市に引っ越して以来7年間、華道を教え、現在26人の生徒がいる。米大学での生け花紹介やワークショップを開くなど、華道の魅力を伝えている。

 3日間にわたる花展を終えたボーゲルさんは「花展を開くことができたのは、夫や生徒の協力と沖縄の家族や先生方からの応援のおかげ。今後も生け花を通して人と人との絆を築き、日米の懸け橋になれるよう日々精進していきたい」と語った。

 生け花展では、生徒たちの多種多様な作品も並び、来場者はそれらの一つ一つを熱心に鑑賞していた。オープニングセレモニーでは生徒2人による琉球箏の演奏もあった。

 生徒の譜久嶺絹子さんは「花型、花器、花材の全てを自分で決めなければいけなかったので大変だったが、自分が焼いた花器を使って、2作品を出品することができた。華道の奥深さを感じながら、生花から元気をもらっている」と、話した。
 (鈴木多美子通信員)