米軍機墜落、沖縄復帰後50件に FA18の南大東沖墜落、日米共同訓練中


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
墜落した機体と同型機のFA18のF型(提供)

 米海軍第5空母航空団所属のFA18戦闘攻撃機1機が12日午前11時45分ごろ、南大東島の南西約140キロ、那覇市の東南東約290キロの海上でエンジントラブルのため墜落した。事故機は自衛隊と日米で共同巡航訓練を実施中、米空母ロナルド・レーガンから発艦した。搭乗員2人は緊急脱出し、米軍ヘリに救助された。その後、ロナルド・レーガンは通常運用を再開した。県内で発生した米軍機の墜落事故は1972年の沖縄の日本復帰以降、計50件に上った。

 墜落現場は空域と海域が提供されている訓練区域「マイク・マイク」とみられる。第11管区海上保安本部によると、同区域で今月30日まで米軍が海対空、海対海、空対空の射撃訓練と空対海射爆撃訓練を実施する予定で、期間中は漁業や立ち入りが禁止されている。事故による漁船や民間人への被害は確認されていない。

 米海軍第7艦隊は「フィリピン海での通常運用中、FA18に機械的な問題が生じ、乗員が脱出した」と発表し「第5空母航空団はロナルド・レーガンに乗艦し、インド太平洋地域の安全と安定を支援している。墜落については調査中だ」と説明した。

 防衛省は12日、事故の発生を県や南北大東村など関係自治体に報告し、在日米軍に安全管理の徹底や再発防止を申し入れた。県漁業無線協会や自治体は沖縄防衛局の連絡を受け、漁業無線で墜落の情報を伝えて注意を喚起した。

 FA18は米軍嘉手納基地や普天間飛行場にも度々飛来している。国内外で事故を起こしており、2016年12月、高知県沖で墜落し、操縦士1人が死亡した。17年4月には、朝鮮半島周辺海域に向けて航行中の米原子力空母カール・ビンソンで着艦事故があった。今年3月には、米フロリダ州で墜落し、操縦士ら2人が死亡した。

 県内では6月、嘉手納基地所属のF15戦闘機が那覇沖に墜落したばかり。16年12月には普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが名護市安部の海岸に墜落。部品落下や不時着・炎上なども含めて米軍機の事故や不具合が相次ぎ、危機感が高まっている。