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[知事訪米]多様性、平和の力に NY講演 「父の国」で呼び掛け

玉城デニー知事の講演に耳を傾ける参加者ら=11日、米ニューヨーク大

 【ニューヨーク=座波幸代本紙特派員】就任後、初めての訪米の地にニューヨークを選んだ玉城デニー知事。約140人が詰め掛けた講演では「沖縄のダイバーシティー(多様性)とは私のような存在であり、米兵と結婚して米国に渡った女性たち、親から沖縄の魂を受け継いだ子どもたちであり、沖縄に触れてきた数多くの軍人・軍属だ。このダイバーシティーを誇るべき民主主義の力にぜひ変えてほしい」と語った。「多様性の街」ニューヨークから行動し、名護市辺野古の新基地建設阻止に向けた変化の波を起こそうと呼び掛けた。

 元米軍人の父と沖縄人の母を持つ玉城知事。自身の生い立ちについて触れ、沖縄の多様性を「生きるためのたくましさを必要としながらも、チムグクル、真心を失ってはいけないというアイデンティティーとして、県民が誇りに思っている魂でもある」と説いた。

 日米両政府による新基地建設の強行では「政府の扉と法律の扉は閉じつつあり、厳しい現実に直面している」と訴えた。民意が反映されない現状を打破するため、「米国の民主主義の誇りを沖縄にも届けるよう要求してほしい」と述べ、市民による米政府への働き掛けを呼び掛けた。

 知事任期中に取り組みたいことを聞かれ、辺野古の新基地建設の阻止を第一に掲げた。同時に「アジアのトップリーダー、ファーストレディーを沖縄に招いた女性の会議を開きたい」とも。これを受け、会場に拍手が鳴り響いた。

 ニューヨーク在住のセス・グロスマンさん(48)は「沖縄にある米軍基地や環境問題について、あまり知らなかったが、今日はいい経験になった。ここから何かできればと思う」と述べた。

 学生時代にニューヨークで暮らしていた中野陽子さん(42)=沖縄市出身=は「継続が大事。沖縄のことを考え、貢献したいという県人は多い。世界のウチナーンチュでアイデアを出し合えるといい。女性の会議を開催するなら、県庁の女性登用もお願いしたい」と話した。