[知事訪米]「沖縄を平和の緩衝地帯に」 玉城知事、国連軍縮トップに訴え


この記事を書いた人 大森 茂夫
中満泉国連事務次長との面談後、記者団の取材に応える玉城デニー知事=12日、米ニューヨークの国連本部前

 【ニューヨーク=座波幸代本紙特派員】訪米中の玉城デニー知事は12日夕(日本時間13日朝)、ニューヨークの国連本部で、中満泉国連事務次長(軍縮担当)と面談した。国連本部の事務総長、副事務総長に次ぐ事務次長に、日本人として初めて就任した中満氏に対し、玉城知事は「沖縄をアジアの平和のための緩衝地帯(バッファーゾーン)にしたい」と述べた。その実現に向け、沖縄でアジアの女性リーダーやファーストレディーが集まるサミットを開催したいとの意向を伝えた。

 中満氏は日本人女性として2017年に初めて国連の軍縮部門トップの軍縮担当上級代表に任命された。玉城知事は中満氏に、沖縄の女性が活躍できる環境づくりや政策、平和への取り組みに向け国連の活動と協力していけないかと提案した。玉城氏は名護市辺野古の新基地建設については触れなかったが、沖縄の歴史や現状を説明し「平和と経済は車の両輪だ」と強調した。これに対し中満氏からは「平和の構築に一生懸命取り組むのはいいことだ」との返答があったという。

 同日午前には、米独立系メディアの報道番組「デモクラシー・ナウ」の番組収録にも臨み、番組司会でジャーナリストのエイミー・グッドマン氏と沖縄の米軍基地問題の現状を話した。

 玉城知事は13日にワシントンへ移動する。14日までの間に、国務省や国防総省、米連邦議会、シンクタンクなどを回り、関係者との会談を調整している。