空手の世界選手権で金メダルを獲得し、沖縄空手の真価を示した県勢3選手が13日、那覇空港に凱旋(がいせん)した。選手は男子形で3連覇した喜友名諒(劉衛流龍鳳会)と、喜友名とともに団体形に出場し2連覇した金城新(同)、上村拓也(同)。優勝カップを抱え、金メダルを首にかけた3選手は出迎えた関係者に感謝し、2020年の東京五輪など、大舞台での今後のさらなる活躍を誓った。
喜友名は個人では師事する佐久本嗣男氏以来、30年ぶりの快挙となる3連覇を飾り、団体も前回に続き制した。「3連覇よりも個人、団体ともに5―0で優勝できたことがうれしかった」と完全優勝を喜んだ。個人、団体ともに決勝は劉衛流最高峰の技「アーナンダイ」で臨んだ。個人は試合前にアップを見守った佐久本氏に「そのままいけばいける」と背中を押され、力強い演武を披露。団体では「自分たちの力を出し切れば勝てる」(喜友名)と金城、上村としっかりと呼吸を合わせることを意識したという。
佐久本氏の3連覇に並んだ喜友名だが「うれしさはあるが、まだまだ遠い存在。近づけるようになりたい」と語る。東京五輪出場に向け、選考基準となる大会出場への連戦が続く。「一日一日を大切に稽古に励み、積み重ねて五輪を目指したい。明日から稽古です」と表情を引き締めた。
「佐久本先生がコーチに入り一緒に試合に臨んだ。大会期間中、心強かった」と大会を振り返る金城は「思い切っていつも通りの演武ができ、それが結果につながった」と喜びを語った。劉衛流の形で優勝できたことを喜ぶ上村は「毎日休むことなく、努力を続けてきて良かった。多くの方々に応援してもらった。感謝の気持ちを伝えたい」と話した。
団体は五輪種目にはなく、個人では喜友名を追い掛け、多くのライバルと争うことになる。金城は「喜友名先輩を追い越さないと道はない。日頃の稽古を積み重ね、追い越せるよう取り組みたい」と意気込み、上村も「喜友名先輩に追いつき追い越せで一日一日稽古に励んでいきたい」と決意を新たにした。