オーガニックさん飛躍誓う クリスティー大賞 東京で表彰式


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第8回アガサ・クリスティー賞を受けたオーガニックゆうきさん=19日、東京都の明治記念館

 【東京】ミステリー小説の新人賞「第8回アガサ・クリスティー賞」(早川書房、早川清文学振興財団主催)の表彰式が19日、東京都の明治記念館で催され、沖縄県浦添市出身のオーガニックゆうきさん(26)が執筆した「入れ子の水は月に轢(ひ)かれ」が大賞を受賞した。オーガニックさんは「10年後の私が、今この場にいる私を誇れる私でありたい」と話し、作家としての飛躍を誓った。

 「入れ子―」は那覇市の水上店舗通りの暗きょで起きた殺人事件を、沖縄に移り住んだ青年と高齢のフリーター、おばあさんの3人で解決していく物語だ。

 昨年、同賞へ応募するため初めてミステリー小説を書いた。2作目で大賞を獲得したオーガニックさんは「がむしゃらにぶつかっていく感じで書き上げた」と振り返った。「3作目はもっと自分が書きたいこと、人に訴えたいことの幅を広げたい」と語った。

 文芸評論家の北上次郎氏は審査講評で「前作に比べて驚くほど進歩した。たった1年でこれだけうまくなるなら、数年たてばもっとうまくなると確信した」と期待を寄せた。

 「入れ子―」は20日発売。県内書店では27日ごろから店頭に並ぶ見込みだ。