沖縄県文化観光スポーツ部は26日、観光目的税制度の導入に向けた検討委員会(下地芳郎委員長)で具体的な制度設計を議論する「観光税制度検討分科会」(湧川盛順分科会長)の第1回会合を開いた。会では県民を含めたホテルなどの宿泊者が納税する案を固めた。県が税収を管理する基金「県観光税基金(仮称)」の設置、徴収を担うホテルなどの「特別徴収義務者」に徴収額の2・5%ほどの「報償金」支給を計画していることを説明した。
観光目的税は県条例で制定されるが、課税期間は設定せず、5年程度をめどに制度を再検討する。基金は目的税を特定事業の財源として充当する予算編成の仕組みを構築するために設立し、執行残が出た場合は翌年度に繰り越して予算編成が可能となる。
課税対象はホテルや旅館、民泊、ウイークリーなど短期賃貸マンションの宿泊で、宿泊者1人が宿泊日数に応じて納税、ホテルや旅行会社などが徴収する案を決めた。
課税免除や税率についても議論され、県は税率を1泊当たり1万円以上1万5千円未満で「100円」、1万5千円以上で「200円」、1万円未満が課税免除となる案を提示した。ただ、関係団体からは県内の1泊当たりの宿泊料金の平均が8千円程度、安価な民泊が含まれながら1万円未満が課税免除されるとして再考を求めた。
次回は12月中旬以降を予定。今回の議論も踏まえながら、税導入の目的や使途などを議論する。本年度内に議論をまとめ文化観光スポーツ部長に提言する。