沖縄大交易会開幕 47都道府県参加 輸出拠点化に期待 県産品の少なさ指摘も


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「第6回沖縄大交易会2018」で商談を進める出展企業とバイヤーら=29日午前、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター

 国内最大規模の国際食品商談会「第6回沖縄大交易会2018」(同実行委員会主催)が29日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開幕した。県内54社を含む269社が出展した。今回初めて全国47都道府県から出展があったほか、海外から15社が初出展した。台湾やシンガポールなど国内外から240社を超えるバイヤーが参加し、出展企業と商談を重ねた。オープニングセレモニーで実行委員会の小禄邦男委員長は「参加者にとって成果がある商談会になってほしい」とあいさつした。大交易会は30日まで開かれる。

 大交易会には沖縄を拠点に国内外へ販路拡大を目指す企業が多く集まった。各企業からは沖縄の地理的優位性を生かした販売を目指す意見が多く上がった。

 海産物を使った食料品を取り扱う巧津食品行(台湾)は、日本への製品輸出を目指して大交易会に参加した。営業部長の鄭淇〓氏は「沖縄は観光客が多く、台湾との距離も近い。沖縄でうまくいけば、日本全国へ発信できるはずだ」と力を込めた。

 宮城県仙台市の鉄板ダイニング譽(TAKA)は、アジアの富裕層向けに高級な仙台牛を輸出することを視野に入れる。販売促進部門本部責任者の澤田隆史氏は「香港や台湾、シンガポールなどに仙台牛を輸出したいと考えている。沖縄はアジアの拠点で、日本の商品を発信できる場所だと感じている」と話した。

 スーパーやレストランに果物などを卸している新大和(香港)の楊柳翠氏は「初めて大交易会に参加したが、いろいろな企業が見られて非常にいい場所だと感じている。日本の商品は素晴らしい物ばかりだ」と振り返った。

 全国のゴルフ場にコンペ商品を提供するフィッシェル(東京都)の山本邦昭社長は「今後は沖縄の特産品をもっと取り扱いたいと考えており、泡盛やマンゴーを探しに来た」と説明する。「全体的にいい雰囲気となっているが、沖縄の特産品を紹介する企業が少ないと感じた。沖縄の商品をもっと知りたいと思った」と改善点も指摘した。

 石垣島ビール(石垣市)は地元で生産したクラフトビールの販路拡大を目的に初参加。シニアアドバイザーの加藤剛氏は「クラフトビールの特徴を理解してくれるお客さまとつながりたい。海外には石垣島のビールと相性がいい場所もあるはずで、そのような場所を見つけたい」と意気込んだ。

 沖縄ハム総合食品(読谷村)で国内を担当する泰山敦氏は、スーパーや百貨店などと商談を重ねた。「それぞれのお客さまに応じた商談をやっている。県内でいろいろな地域のバイヤーと商談できるのが大交易会で、重要な場所になっている」と強調した。

※注:〓は「場」の土が王ヘン