犬猫を取り巻く現状を知ってもらうイベント「犬猫殺処分ゼロを目指して!~人と人、人と動物、みらいへつなぐ~ つなぐフェスVol.5」(TSUNAGUOKINAWA・つなぐフェス実行委員会主催)が11月23日、沖縄県那覇市牧志の緑ヶ丘公園で開かれた。動物愛護団体による保護犬や猫の譲渡会や適正飼育についてのパネル展示のほか、音楽ライブ、飲食などの出店で来場者が楽しみながら犬猫への理解を深めた。
この日、犬5匹、猫2匹が引き取り候補との相性を確認するトライアル契約となった。イベント出店料とイベントの収益から運営費を除いた全額が県内の動物愛護団体に物資で寄付される。
保護団体スマイルパウズ(中原寿野代表)の譲渡会に浦添市から参加していた平良徹さん(49)、太一君(7)親子は県動物愛護管理センターから譲渡された実家の犬が亡くなり、落ち込んでいる両親とともに参加した。平良さんは「いいご縁があれば」と犬と触れ合いながら笑顔を見せていた。
つなぐおきなわの畑井モト子代表は「犬猫たちに新しい飼い主さんへつながる機会になるこの活動は、多くの方の支えがあってできる。一人一人の力が大きな力となり、人と動物が幸せに暮らせる沖縄になると信じている」と話し、感謝した。猫を飼っているという玉城デニー知事は公務外で訪れた。玉城知事は「県でも殺処分ゼロを目指している。多くの人と協力して犬猫が幸せに生活ができるよう取り組んでいきたい」と話した。
2013年度に県から業務を引き継いでいる那覇市環境衛生課によると、13年度の犬と猫を合わせた収容数は475匹。17年度は263匹で約200匹以上減少した。猫の収容は、幼猫が多く収容期間中に衰弱などで死んでいく。その数も殺処分としてカウントされており、殺処分の約7割を占める。市は、飼い主のいない猫の自然繁殖を抑制するため不妊去勢手術事業を実施している。
(山上順子通信員)