【南風原】沖縄県南風原町の特産である琉球絣(かすり)、南風原花織と、鹿革を使った山梨県の伝統工芸品・甲州印伝が初めてコラボレーションした作品の発表会(南風原町商工会主催)が8日、南風原町宮平のゆいまーる沖縄本店で開かれた。取り組んだのは「NUNUSAAA(ぬぬさー)」として琉球絣と南風原花織の魅力を発信している職人の大城拓也さん(44)、大城美枝子さん(55)、大城幸司さん(37)の3人と、甲州印伝の総合部門では現在、唯一の伝統工芸士である山本裕輔さん(36)=山梨県。それぞれ、別の伝統工芸品とのコラボ商品は初めて。4人は「琉球絣や甲州印伝を知るきっかけになってほしい」と呼び掛けた。
作品は合切袋と呼ばれるかばんや、名刺入れなど5種類。カラフルな鹿革に漆で琉球絣の柄が描かれ、内側には琉球絣や南風原花織が使われている。発表会では町出身のお笑い芸人・仲座健太さんが司会を務め完成までの経緯や、伝統工芸品への思いを語った。
幸司さんは「琉球絣は名刺入れだと柄が少ししか見えない。印伝は織りではできない細かい柄を表現でき、小物でも柄を楽しめる」と強調した。拓也さんは「着物ではできないことを甲州印伝でできた。今後も新作を作っていきたい」と話した。
伝統と新しい挑戦についてもさまざまな意見が交わされた。アニメとのコラボの経験がある山本さんは「コラボにより、より広く印伝や琉球絣が知られ、裾野が広がる」と期待を寄せた。美枝子さんは「普段から遊びとしていろんな糸や新しいものを使って物作りをしている。最初は遊びでも、周囲に認められたら商品になるのではないか」と思いを語った。
作品は、1月中旬からゆいまーる沖縄本店で販売予定。今月12日までは同店で展示され、先行予約も受け付けている。問い合わせは南風原町商工会(電話)098(889)6121(金城)。