土砂投入強行 濁る海 屈辱再び 「阻止 諦めない」 市民1000人 抗議の叫び


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土砂投入強行に対し、キャンプ・シュワブ第1ゲート前で抗議活動をする市民ら=14日午前、名護市辺野古(滝畠豊美撮影)

 土砂投入が始まった14日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前には夜明け前から新基地建設に反対する100人以上が集まり、午後に辺野古の浜で開かれた集会には千人(主催者発表)に膨らんだ。土砂投入への怒り、悔しさ、悲しみの感情が交錯したが、集まった県民らは「まだ基地建設を止められる。諦めないで闘おう」と誓い合った。

 暗闇に包まれた午前4時半ごろ、シュワブのメインゲート前に市民ら十数人が集まった。工事を阻止しようと作業員の車を止め、国道329号では一時渋滞が発生した。午前5時半ごろに到着した機動隊が人々を排除し、作業員の車は基地内に入った。

 この日は基地内への資材搬入はなく、市民らは搬入用ゲートに座り込み抗議した。「政府は民意を無視するな」。憤りの声が次々に上がった。

 第2ゲートではカービン銃を持った米兵数人が、米軍車両を阻止しようと立ちはだかった市民の集団から数メートル先の基地内で警戒していた。市民らは「明らかに威嚇だ」「銃剣とブルドーザーで海を奪うつもりか」と抗議した。

 うるま市の男性(63)は「いつもの小さな拳銃と異なり、あんなに大きな銃を抱え、近くに来たのを初めて見た。脅しのようだ」と顔を曇らせた。

 土砂投入直後の午前11時すぎ、沖縄平和運動センターの山城博治議長が音頭を取り「(前知事の)翁長さんと共に」とメインゲート前で声を張り上げた。悔し涙を浮かべた山城議長は「沖縄の思いが踏みにじられ、県民全体が泣いている。まさに不条理そのものだ」と奥歯をかみしめた。

 午後の辺野古の浜の集会には千人が参加した。

 オール沖縄会議の稲嶺進共同代表=前名護市長=はマイクを握り「屈辱の日がまた一つ加わってしまった。投入はパフォーマンスだ。これ以上工事を進めさせる訳にはいかない」と訴えた。

 この日は首相官邸前でも朝から夜にかけて、市民らによる抗議の座り込みが行われた。