土砂投入強行 名護、宜野湾 思い複雑 「白紙撤回を」「辺野古しか」


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 【名護・宜野湾】20年以上にわたって新基地建設問題に翻弄(ほんろう)されてきた名護市辺野古。同区の西川征夫さん(74)は「残念だ。政府のパフォーマンスでしかない」と語る。西川さんは基地建設予定地に軟弱地盤や活断層が存在していることなどに触れ、「基地建設の白紙撤回はまだできる」と強調した。

 漁師の男性(52)は「地元の漁師への説明は何もない。漁師を無視していて、今の政府のやり方は気にくわない」と切り捨てる。「せめて汀間や辺野古に回ってきて漁師に説明すべきではないか」と政府の姿勢を批判した。一方、元市議の島袋権勇さん(70)は「辺野古区のスタンスとしては、町中にある普天間飛行場の危険除去が前提になっている」と強調した。

 米軍普天間飛行場を抱える宜野湾市。現在は同飛行場内にある市宜野湾で生まれ育った宮城章さん(80)は「政府のやり方はあまりにも横暴だ」と憤る。「運用停止の期限も守ろうとせず、辺野古に基地が造られても移転して土地が返ってくるか疑問だ」とフェンスを見詰めた。

 市宜野湾に住む女性(64)は「本当は基地自体なくなってほしいけど」と前置きした上で、「今の状況では辺野古以外に考えられない。夜間訓練や事故の恐怖が常にある。元気なうちに基地がなくなるのを見たい」と話した。

 息子と市内の公園を訪れた女性(23)=市宜野湾=は「事故が起きたら怖い。基地は早くなくなってほしい」と話し、息子の肩を抱いた。