対馬丸の歴史、英語で 上山中3年生 記念館に訳文を寄贈


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説明文の英訳を寄贈した上山中3年の生徒らと対馬丸記念館の関係者ら=19日、那覇市若狭の対馬丸記念館

 沖縄県那覇市若狭の対馬丸記念館の説明文を英訳した那覇市立上山中学3年の生徒らが19日、同館を訪れ、英文の説明文を寄贈した。取り組みを通して書いた感想文も贈り、仲嵩彩花さん(15)と嘉陽るかさん(15)が「犠牲になった先輩の体験を多くの外国人に伝えたい」とあいさつした。同記念館は来年度内までに、英文の説明文の掲示を検討している。

 事前学習として3年生138人は同記念館を訪れたり、対馬丸に関する映画を鑑賞したりした。11月の英語の授業で、館内を案内するキャラクターのせりふと詩の英訳に挑戦した。仲嵩さんは「普段目にしない英単語を、辞書で調べながら英訳した」、嘉陽さんは「平和に対する思いを世界中の人へ伝えたい」と話した。

 同記念館の高良政勝理事長は「来館する外国の人も記念館設立の趣旨を理解してくれると期待する。非常にありがたい」と感謝した。同校の前田比呂也校長は「彼らの訳は、犠牲になった子どもたちの気持ちを一番に伝えてくれるものだ。次年度以降も英訳を続けていきたい」と話した。