【ブラジル】紅型の魅力紹介 日本文化センター 着物やドレス、3800人来場


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紅型の展覧会に携わった同センターの(左から)鈴木セシリア深映子さん、中田グレース清香さん、洲崎勝さんと、県系3世の金藤仲地アウロラ恭子さん

 日本の文化を海外に紹介する国際交流基金サンパウロ日本文化センター(洲崎勝所長)主催の「琉球紅型―沖縄染色の色彩と形」が11月10日から12月14日まで、ブラジルの同センター図書館で開催された。洲崎所長は紅型について「筆で書いていくと思ったら、強く塗料を押し付けていく、なのにできるものはすごく繊細で面白い」と話した。図書館で沖縄をテーマにした展示会は初めて。少なくとも約3800人が来館した。

 展示会には、ブラジル沖縄県人会や斎藤悟琉舞道場、紅型師の石川ソニアさんら日系社会の関係者から提供された作品を中心に展示された。沖縄県指定無形文化財保持者の紅型の着物2点、紅型が入った花嫁ドレスをはじめ、芭蕉布の着物2点、琉球絣(かすり)2点、沖縄の織り人形2点、沖縄の布地や日常用品のサンプルなどが用意された。

紅型の着物など紅型を紹介する展示会=ブラジルの国際交流基金サンパウロ日本文化センター図書館

 紅型師を招いてのワークショップや芭蕉布体験が行われたほか、うちなーぐち、日本語、ポルトガル語による絵本の読み聞かせや三線制作に関するトークや切り紙のワークショップもあった。配布されていた資料やホームページには紅型の歴史がポルトガル語で記載された。

 展示会は、展示会などを企画する文化芸術グループの日本語チームが取り組み、現地職員で沖縄にゆかりがある本部町3世の金藤仲地アウロラ恭子さん(41)が中心的な役割を担った。

 沖縄県の民間大使でもある仲地さんは沖縄の文化を紹介したいと考えてきた。県人会などを通して資料がそろえやすい紅型にしたという。集めた資料は展示スペースには収まらず、撮影して映像を流した。

 紅型のワークショップに初めて挑戦した洲崎所長は「皆さんが夢中でやっているのをみるだけでも楽しかった。紅型のイメージが広がったと思う」と話した。洲崎所長は東京オリンピックに合わせて、空手の展覧会も企画したいとしている。
 (城間セルソ明秀通信員)