市民が宜野湾市提訴を検討 県民投票不参加の議会と市長判断を批判


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松川正則宜野湾市長

 【宜野湾】沖縄県宜野湾市の松川正則市長が名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票を実施しないと表明したことを受け、宜野湾市民が住民訴訟を検討していることが25日、分かった。同日、「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議・ぎのわん」の安次嶺美代子共同代表が本紙取材に、松川市長の判断が変わらない場合は訴訟を視野に入れた準備を進める考えを明らかにした。同団体は28日に会合を開き、対応を協議する。

 島ぐるみ会議・ぎのわんは26日にも、市役所に市長を訪ねて直接抗議するほか、投票実施を求める会見を市内で開く。

 安次嶺氏は「市民の投票する権利を奪うことはあってはならない。自分たちの意見を貫くことを優先して市民の権利を奪うとは、民主的な在り方に逆行する。民主主義を壊すことだ」とし、市議会と市長の判断を強く批判した。その上で「最終的には28日に決めるが、訴訟も考えて動かないといけない」と語った。

 宜野湾市在住で、「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表は、宮古島市に続いて首長が県民投票を実施しないと表明したことに「悲しい気持ちだ」と肩を落とした。

 県民投票の会としては住民訴訟を検討していないとし、「宜野湾市で動きがあれば一市民として協力したい」とした。