環境関連の事業を手掛ける県環境・エネルギー研究開発機構が県内外の企業と共同で、環境負荷の少ない方法で汚泥や産業廃棄物を処理する技術を導入している。オゾンを活用した技術で汚泥を大幅に削減しながら処理できる。工事現場などから出る産業廃棄物は「リメックス」と呼ばれる素材を使って、再生可能な資材に生まれ変わる。県内の離島地域で活用することを目指している。
導入事業には同機構のほか、琉球ポテンシャル、りんかい日産建設、ヒューエンス、環境開発公社沖縄支店の4社が携わる。沖縄総合事務局環境資源課の協力も受けている。
家庭から出る汚泥の処理には、旋回噴流式オゾン酸化法を活用する。特殊な技術を使って汚泥処理槽の中にオゾンを行き渡らせ、バクテリアが食べやすい大きさまで汚泥を分解する。オゾンの効果で細かくなった汚泥はバクテリアがきれいに食べてくれるという。排水として自然に放流される段階には、汚泥の量を大幅に削減できる。ヒューエンス社が開発した技術で、県外の工場などで導入されている。
使用するオゾンは空気中の酸素から生成し、太陽光発電などで施設の電力を賄うため、環境負荷も少ない。県内離島での活用に向けて久米島で実証実験もしており、導入に向けて成果が出たという。今後は本格導入のための準備を進める。
産業廃棄物処理の際に活用するリメックスは、建設現場から出る燃え殻やばいじんなどを短時間で固形化する。現場で廃棄物の処理をできるほか、リサイクル資材として活用することも可能となっている。養豚場などの廃棄物処理にも利用できる。
同機構の小山聡宏代表理事は「沖縄の素晴らしい海や自然を守るために、新たな技術を導入しようと思った。離島地域が抱えているさまざまな課題を解決することにつながるはずだ」と強調した。