〈解説〉沖縄市、県民投票不参加を再表明 市民への説明不十分


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 間接民主制で市民に選ばれた市議たちの決議結果を「行政の長として、尊重しなければならい」との判断を再度下した桑江朝千夫市長。間接民主制をとる中で、住民からの直接請求を払いのけた理由については「私の決断としか言いようがない」と述べるにとどめ、投票を希望する市民に対し、十分な説明を尽くしたとは言い難い。

 当初から、選択肢のあり方を理由に県民投票に対する疑義を唱えてきた。不参加を表明する自治体がある中で、予定通りの2月24日に投開票すると県が発表したことに、桑江市長は「少数意見、反対する市長のことを配慮しない、強権的になっていると思う」と述べた。だが桑江市長自身、市議会で少数意見に当たる市政野党への積極的な働き掛けなどもなく、配慮は見られないとも取れる。

 条例制定を求め集まった署名の中には、沖縄市民からも7700筆以上、選挙人名簿登録者数の約7%に当たる署名が集まっている。昨年の市長選で桑江市長に票を投じた市民からでさえ「市政を任せるために1票投じただけであって、県民投票への判断まで任せたつもりはない」と反発もある。市民が納得に至る十分な説明、対応を桑江市長自身、尽くしたとは言い難い。1票を投じたいと願う市民への真摯(しんし)な対応が今後、求められる。

 (上江洲真梨子)