遺骨返還「見守って」 原告団、百按司墓を参拝


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 琉球遺骨返還請求訴訟の原告団(団長・松島泰勝龍谷大教授)と訴訟を支援している「命どぅ宝!琉球の自己決定権の会」の会員らが12日、今帰仁村の百按司(むむじゃな)墓を参拝した。原告は、昭和初期に墓から持ち出された遺骨を保管している京都大学を、昨年12月に提訴したことを祖先に報告した。今帰仁村歴史文化センターも視察した。

百按司墓で手を合わせ、提訴を報告する原告ら=12日、今帰仁村運天

 原告らは百按司墓で線香を上げて手を合わせた。同墓の近くにある大北(うーにし)墓の前で、三線の演奏に合わせて歌を奉納した。

 原告で第一尚氏の子孫の亀谷正子さん(74)は「祖先に提訴を報告し『見守ってほしい』とお願いした。京都大は一日も早く遺骨を返してほしい」と話した。

 松島団長は「遺骨返還を求める沖縄の声が聞き入れられず、差別されている。辺野古の新基地建設に通じる問題だ。返還を実現し、琉球の自己決定権の回復を目指す」と述べた。

 百按司墓から持ち出された遺骨の一部は台湾大学にも保管されており、台湾大は沖縄側に返還する意向を示している。

 「命どぅ宝!琉球の自己決定権の会」は台湾大から返還される遺骨を「再風葬」するよう求める要請書を12日付でまとめ、今帰仁村と同村教育委員会に送ることを決めた。