新里米吉県議会議長は19日、那覇市内で県政与党会派の代表者らと面談し、辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票の全市町村実施に向けて、「賛成」「反対」の2択に「どちらでもない」を加えた3択とする条例改正案で全会一致を目指す方向で、野党と調整に入ることを伝えた。会談後、新里議長は記者団に「不参加を表明している5市も参加できるよう、議長として県議会全体がまとまる方向で努力する」と述べ、25日までに与野党合意を目指す考えを示した。
新里議長は2月24日の投票日を前提に、与野党代表者会議で全会一致を確認できれば、1月29日までに臨時議会を開いて条例案を可決させる考え。一方で、与党内には選択肢の変更に根強い反発があるほか、自民や公明が新里議長の提案する選択肢の案に応じるか未知数な部分があり、条例改正には与野党双方の歩み寄りが必要となる。
県民投票を巡っては16日以降、公明会派が新里議長に与野党の再調整役を水面下で要請し、不参加を表明する5市が求める選択肢の見直しについて「容認」「反対」「やむを得ない」の3択とする妥協案を示していた。
新里議長は与党代表者との会合後、具体的な改正案の内容について「与野党が集まって話し合いをしていない段階では何も言えない。決まったら報告したい。私の頭の中にある」と述べるにとどめた。
また、会合中に「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表と電話で話し合ったことを明かした上で、「(2択に)こだわらずに議会をまとめる方向で動きたいと説明し、了解をもらった」と話した。
新里議長によると、2月24日実施のためには、1月29日までに臨時議会を開かなければ事務作業が間に合わないと県側から伝えられたという。
玉城デニー知事は19日夜、うるま市内で記者団に「今のところ2択はキープしている。ただ、いろいろな意見をはねつけるわけではない」と述べ、選択肢変更に理解を示した。与党幹部によると、玉城知事は「不参加を表明した5市が県民投票に参加する担保が取れるかどうかだ」(与党幹部)との意向を示しているという。