知事、県民投票3択を支持 全会一致前提、与党は反対


この記事を書いた人 Avatar photo 桑原 晶子
玉城デニー沖縄県知事

 辺野古新基地建設の賛否を問う県民投票を5市長が拒否している問題で、賛否2択の県民投票条例の制定を直接請求した「辺野古」県民投票の会(元山仁士郎代表)が全県実施に向けて3択を容認する方針を表明したことを踏まえ、玉城デニー知事は22日、県議会の全会一致を前提に、3択への条例改正を支持する方針に転換した。玉城知事は周囲に「全県実施に向け、条例改正も含めて汗をかく」と強い決意を伝えている。一方、県政与党2会派は同日、会合を開き、賛否2択維持を確認し条例改正に反対する方針を改めて確認した。条例改正の第1関門が開かない状況が続いている。

 県は、不参加を表明した5市に対し、2択から3択に増やすことを条件に参加を打診していたことが分かった。関係者によると、県側は「賛成」「反対」「どちらでもない」を提案、ほとんどの自治体から「県の努力を歓迎したい」との返答があったという。

 一方、自民党は同日、記者会見を開き、玉城知事に対し「県民投票条例と実施日を仕切り直す」ことなど3点を求めた緊急声明を発表した。会見で照屋守之県連会長は「条例の中身は仕切り直した後に議論する必要がある」と述べ、3択案の是非は示さなかった。

 与党も社民・社大・結とおきなわがそれぞれ、改めて3択案について協議したが、自民党が投開票日の延期などを求めていることなどを引き合いに「自民党の要求がさらに広がっていくことが容易に予想できる」と警戒感を示した。

 県民投票の会の元山代表は同日、県庁で謝花喜一郎副知事と面会し、会派として「賛成」「反対」「どちらでもない」とする3択案を容認する方針に転じたことを説明した。記者団に「謝花副知事は『会の意向を重んじてしっかり受け止める』と話した」と明らかにした。富川盛武副知事も取材に「5市が納得するのであれば検討の余地はある」と3択案に前向きな考えを示した。