DeNA・嶺井 出場増へ意欲 投手と連携 試合つくる


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ブルペンでボールを受ける横浜DeNAベイスターズの嶺井博希=1日、宜野湾市のアトムホームスタジアム宜野湾(大城直也撮影)

 柔和な表情でキャンプ初日を迎えた嶺井博希(沖縄尚学高―亜細亜大出)が、ブルペンに入るときりっと真剣な顔に変わる。マスクをかぶり、存在感を出すハスキーボイスで投げ込む投手陣を盛り上げる。マスコミ取材にはニコニコした顔に戻り「1試合でも多く試合に出ます。頑張ります」と和やかに語った。

 今季は事前の自主トレが「しっかりうまくいった」という自信もあり、「その成果を全体練習から出す」と初日から気合が入る。ブルペンでは、ドラフト1位入団の上茶谷大河ら投手陣の投球を受けながら、球種や投球方法、マウンドの状態などを話し合い、アドバイスを繰り返した。

 2017年は52試合だった出場回数が18年は91試合へ増加した。正捕手争いを続ける伊藤光は47試合、戸柱恭孝は25試合。アレックス・ラミレス監督が期待する捕手3人の中ではトップだった。個人では期待に応えたが、昨季はリーグ4位。「『いい経験になった』と言っている場合ではなく、野球人生も長くないので結果につなげなければ」と自戒を込める。

 守備では貢献したが、打率は2割2分と伸び悩んだ。平良拳太郎や宮城滝太ら投手陣を引っ張るウチナーンチュの先輩として「打撃は単に実力不足。投手と連携して試合をつくるとともに、バットでもチームに貢献しないといけない」と責任感を示す。

 故郷の南城市では昨年9月に後援会が結成された。親類の「東徳前いとこ合同模合」は横断幕で「嶺井一族の星」と期待を込めている。円熟味もチーム内の信頼も増していく28歳の有言実行が、チームもファンも上昇気流に乗せる。

 (嘉陽拓也)