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家族の中で1人だけ生き残った少女、原爆投下後の焦土を1人でさまよった少女が語る戦争とは…

自らの体験を語る(右から)天野文子さん、玉木利枝子さん=9日、宜野湾市の佐喜眞美術館

 【宜野湾】広島の被爆者と沖縄戦体験者による証言会(主催・おりづるプロジェクト@沖縄実行委員会)が9日、沖縄県宜野湾市の佐喜眞美術館で開かれた。広島で原爆を体験した天野文子さん(88)=東京都=と、沖縄戦を体験した玉木利枝子さん(84)=那覇市=がそれぞれの壮絶な体験を語った。来場した約20人からは時折涙をぬぐう姿が見られた。

 10歳で沖縄戦を体験した玉木さんは、家族とともに那覇から南部に逃げ、家族10人の中で1人だけ生き残った。爆弾の破片で大けがを負った兄の様子や、けがのため自ら命を絶った祖父について、声を震わせて語った。玉木さんは「戦争とは愚かな人間が起こす愚かな出来事だ」とした上で、「命があるのは決して当たり前のことではない」と強調した。

 天野さんは14歳で原爆を体験した。無傷だった天野さんは原爆投下後の翌7日の夜明けから焦土と化した市内を1人さまよった。道に横たわる遺体に「ごめんなさい。私も死ぬはずだったのに」と手を合わせた。当時は「軍国少女」だったというが、その時に「戦争とは人殺しなのだ」と痛感したという。

 天野さんは「広島での多くの死を通して、命はかけがえのないものであることと、どんな理屈をつけても戦争はあってはいけないと感じる」と力を込め、「若い皆さんに今後を託していきたい」と締めくくった。