名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票が14日、告示される。24日に投開票する。米軍普天間飛行場の辺野古への移設について県民全体の民意を直接問うのは初めて。得票が最も多い選択肢が投票資格者総数の4分の1に達した場合、知事は日米両政府に結果を通知する。法的拘束力はないが、県民投票の結果によっては日米両政府の対応や民主主義国家としての在り方も改めて問われることになる。
謝花喜一郎副知事は13日、各部局長でつくる県民投票実施本部会議で「辺野古埋め立てについて県民の皆さまがそれぞれの意思を示すことができる大変重要な機会だ」と述べ、全庁を挙げて広報活動に全力で取り組むよう指示した。
県は所管施設や主催イベント、公用車へのステッカー貼り付けなどを通して投票を呼び掛ける。県から各市町村には、投票日や期日前投票に関する周知を図ってもらうよう改めて協力を依頼する。期日前投票と不在者投票は15日から実施する。
一方、14日は政府が辺野古沿岸部に土砂の投入を始めて2カ月になる。政府は3月25日にも新たな区域で土砂投入を始める方針だ。それに向けて新たな護岸建設にも着手した。その護岸の建設予定海域には、県から移植許可が下りていないサンゴが生息しているにもかかわらず、移植しなくても工事ができると結論付けた。工事に対し自然環境の専門家や自然保護団体から批判の声が上がっている。
辺野古沿岸部では13日も土砂の投入が確認できた。政府が埋め立てを開始した昨年12月14日から今年1月末までに投入した土砂の量は約4万1千立方メートル。土砂は名護市安和から船で運んでいる。運んだのは約58隻分で、政府が着工している区域2―1に投入する予定の土砂13万7500立方メートルの約30%に当たる。ただ、同区域は全体の埋め立て面積の4%、土砂量としては約0・7%にとどまる。