第10回県医師会県民健康フォーラム(沖縄県医師会、琉球新報社主催)が16日、那覇市のロワジールホテル那覇で開かれた。今回は「麻疹(はしか)・風疹はなぜ流行(はや)る?」と題して、医師ら3人が登壇。昨年県内で流行したはしかの影響や対策、風疹の予防の必要性などを訴え、約100人の聴衆が聞き入った。
県立中部病院感染症内科の椎木創一医師は、外国人観光客によってもたらされたはしかで県内では昨年、99人が感染し、観光産業にも約4億2千万円の経済的損失があったと説明。「はしかは最初は風邪のような症状だが、インフルエンザよりも感染力が強い。ワクチンでも完全に防御できるわけではないが、感染しにくくなる」と予防接種を奨励した。
ぐしこどもクリニックの具志一男院長は、約20年前に県内ではしかが流行し、主に乳幼児9人が死亡した教訓から発足した「県はしか“0”プロジェクト委員会」の委員長を務める。具志院長は「予防接種を十分にしていない世代の流行が繰り返されており、この世代への接種を充実させる必要がある」と語った。
那覇市保健所の東朝幸所長は、風疹に対する定期予防接種を1回もしていない39~56歳の男性世代は今年から3年間、抗体検査と予防接種が原則無料で受けられると紹介。その上で「最近の風疹は男性によって職場で広がっている。まずは検査を受け、予防接種をしてほしい」と呼び掛けた。