音楽で子の居場所づくり 国場にジャズオケ発足


この記事を書いた人 大森 茂夫
指導者から指導を受けながら発表会に向けて練習に励む「ジュニアジャズオーケストラおきなわ那覇イースト」のメンバーら=6日、那覇市国場の沖縄大学アネックス共創館

 沖縄大学地域研究所(島村聡所長)の「ジュニアジャズオーケストラおきなわ那覇イースト」がこのほど発足した。琉球フィルハーモニックが協力した。24日午後2時から、那覇市津波避難ビル3階レクリエーションルームで開催される「ジュニアジャズオーケストラおきなわ那覇ウエスト第3回発表会」(琉球フィルハーモニック主催)にゲスト出演する。入場無料。

 イーストは、地域の子どもたちの居場所づくり「放課後こくば教室」の一環で昨年9月に発足。小1から小6まで約10人の子どもたちがプロの音楽家や楽器指導ボランティア(フェロー)の指導を受け、週2回の練習に励んでいる。半年前まで楽器に触れたことがなかった子どもたちが、ジャズを通して居場所が生まれ、心の変化が見られている。

 指導に当たる琉球フィルハーモニック代表理事の上原正弘さんは「発足当初はバラバラだった。次第に仲間意識が芽生え、自己肯定感も高まっている」と語る。

 参加者の一人で不登校だった児童の保護者は居場所を実感しているという。「すがる思いで参加させた。自宅でも毎日練習して自信を持てたようで、この場所をきっかけに登校できるようになった」と話した。その児童は「最初はできなかったから面白くなかったけれど、練習して弾けるようになったから今は楽しい」と発表会への意欲も見せた。ほかの子どもたちは「みんなと心を一つに音を合わせることが楽しい」「発表会、わくわくする」と話した。イーストはウエストと合同で2曲を披露する予定だ。
(中川廣江通信員)