県、割引延長を要請へ 沖縄自動車道 来月末が期限


この記事を書いた人 大森 茂夫

 沖縄自動車道に適用されている約35%の特別割引が3月末で期限を迎えることを見据え、県の富川盛武副知事は27日に上京し、割引期間の延長を国や西日本高速道路(NEXCO西日本)に要請する。3月には玉城デニー知事も要請のため上京する予定だ。

 沖縄自動車道は割引の適用が始まった1999年度以降、交通量が約2・3倍に伸び、北部振興や経済発展を後押ししてきた。4月以降に割引が廃止された場合、那覇―許田間が現行の1020円(普通車)から1580円になるなど各区間の料金が引き上げられることから、県は県民生活や観光客、物流業界などへの影響を懸念している。

 昨年8月にも謝花喜一郎副知事が割引の延長を国に要請しているが、今回、経済団体や業界団体から影響の大きさを指摘する声が上がっていることを受け、改めて要請する。2017年3月末に割引期限が切れる際にも、県の要請で2年間の延長が決定している。

 特別割引は県外ではETC車のみに適用されているが、沖縄は現金車にも適用されており、県は引き続き全車に適用するよう求める。県交通政策課の担当者は「沖縄自動車道の割引は県経済や北部地域の振興、県民や観光客の移動利便性の向上にとって非常に大事だ。継続されるよう取り組む」と話した。

 今後はNEXCO西日本が特別割引事業を盛り込んだ来年度の事業計画を国土交通省に提出し、国交省の承認が得られれば、4月以降の延長が決まる。特別割引を巡っては、割引が始まった当初は沖縄振興特別調整費を充てて那覇―許田間を千円に抑えていた。2010年以降は高速道路無料化社会実験や緊急経済対策により、軽減措置が取られてきた。14年4月からはNEXCO西日本の財源負担で那覇―許田間を現行の1020円(普通車)とする割引措置が取られている。