辺野古埋め立て 70メートル以深“工事必要ない” 防衛相「軟弱地盤でない」


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 【東京】名護市辺野古の新基地建設を巡る軟弱地盤の問題について、防衛省の青柳肇報道官は1日の会見で、同省が水面下70メートル地点までの地盤改良工事を検討していることに関して「地盤の改良が必要ない地盤という意味では、水面下約70メートルより深いところの地盤は、軟弱な地盤ではないということが言える」と述べた。

 軟弱地盤について、岩屋毅防衛相が2月28日の衆院予算委員会で、軟弱地盤が水面下90メートルに達していることを認める一方、70メートルより深い部分は「非常に固い粘土層」に分類されると説明し、水面下70~90メートルの部分では地盤改良工事が必要ないとした。

 県は、防衛省が提示した資料に基づき水面下90メートルまで「粘性土の地盤」があるとして、工事を困難視している。専門家からも、国内には最大で70メートル程度の深さの地盤改良に対応する作業船しかなく、70メートルより深い部分の地盤が改良されなければ、地盤沈下が生じる可能性があるとの指摘も出ている。

 玉城デニー知事は1日、安倍晋三首相と会談した際に「世界的にも実績のない地盤改良工事が必要とされる」と述べ、工事の長期化や予算膨張が避けられないとの考えを示した。