琉球新報社は4日、「読者と新聞委員会」(主宰・玻名城泰山社長)の第44回会合を沖縄県那覇市泉崎の本社で開いた。佐藤学氏(沖縄国際大教授)、知念ウシ氏(むぬかちゃー=ライター)、寺田柾(まさき)氏(那覇市自治会長会連合会事務局長)、平田大一氏(演出家)の外部有識者の4委員が、新年号と県民投票の関連報道について意見を交わした。
新年企画ではキャンペーン連載「沖縄フェイクを追う」に対し、「フェイク(偽)の構造を知ることで影響力をそぐという報道姿勢、全国のメディアに広がっていることの意義は大きい」(寺田氏)と評価が集まった。匿名の虚偽情報がまかり通るネット空間に対し、記者の実名を基本とした取材手法について佐藤氏は「ネットと新聞で責任の取り方が違うものを、現実世界の責任ある言論の場へと引き込んだ」と指摘した。
県民投票の報道では、知念氏は「議論する時間も場もなかった感がある」と全体の印象を語り、全県実施のため選択肢を3択にした経緯についても「終わりよければ全てよしではない」と総括を続けるよう求めた。平田氏はインタビュー企画「私の視座」、社会面連載「辺野古で生きる」について「賛成反対だけではないリアルさが伝わった。本当の意味でのオール沖縄を考える契機になれば」と指摘した。